患者の健康を守り、ともに治療に取り組んでいく医療従事者は24時間戦い続ける仕事でもあります。それだけ過酷な労働環境にも関わらず、その道を志す若者が多いのは医療に未だ夢があるかもしれませんが、現状として医療業界は人材確保という課題に直面しつつあります。
高齢化社会が今後加速する日本において、労働人口に対して患者の数は相対的にも絶対的にも増大していくと予想されています。
夜勤によって医療スタッフの疲弊や人手不足が叫ばれる現状においても、医療はギリギリのマンパワーで辛うじて回っています。看護師や医師の献身によって維持されているに過ぎないのです。
そこに高齢者の増加に伴う患者の増加という要因が加わった場合、現状のマンパワーでは24時間患者の状態を把握し、ケアすることがかなり無理をしなければ回らなくなってしまうかもしれません。それに対応し、現在提供しているレベルを維持できるだけの人材が確保できるかが、今後の医療業界における大きな課題です。
さらに、医療はさらにステップアップし、各診療科にはさらに細かい分野が生じています。スペシャリストが細かい診療分野に分散し、特化することで医療の専門性を高めています。
必然的に細分化された分だけ、それぞれのセクションには少ない人数しか所属できません。この医療の細分化もまた、相対的な人材不足に拍車をかけています。
発展していく医療の裏返しであり、今後も医療が進化していくたびに直面していく問題であると言えるでしょう。